漫画アシスタントってぶっちゃけどうなん?プロアシスタントが語ります

今週の動画

今回は漫画アシスタント

ってぶっちゃけどうなんという話を紹介しようと思います

 

僕は本業が漫画プロアシスタントなので

ようやく本業の話をするかと 言う感じなのですが

 

漫画アシスタントを「仕事」として考えた場合

 

 

悪くはない。です

 

 

これは この仕事をプロとして10年以上やってきた身としての感想です

 

 

目次

・漫画アシスタントの仕事内容

・給料、待遇面について

・メリット、デメリット

・悪くはない、その理由

 

漫画アシスタントの仕事は

職場によりますが、基本は背景作画、トーン仕上げ、雑務

この3つに分けられます

この仕事を作品の作業場に直接向かう「通い」

職場に通わず自分の都合いいところでデータを受け渡しして仕事する「在宅」

と言う2パターンで仕事を行います。

ちなみに弊社は完全に全ての作業が在宅です

 

仕事内容は漫画家さんに指示を頂いて、その指示に合う画面を作っていく

アナログの現場では、昔ながらのお仕事も多いかと思いますが

それでもトーン仕上げは10年前に比べると、ほとんどがデジタルになってきている状況です

 

 

背景を描くのも、昔と違ってただ純粋に自分の技量だけで描くのではなく

3Dデータの使用などで大幅にショートカットする事が可能になり

作画コストも、人件費的な意味ではコストカット出来るようになりました

 

 

僕もデジタル技術の恩恵を受けまくっているおかげで

なんとかプロアシを続けてこれました

 

 

労働時間は一般職に比べると

長い仕事場が多いと思います

大体短くて8時間、よくあるのは休憩含めて10時間作業です

 

ただ在宅アシスタントの場合

10時間と言っても、一般職の方が通勤する時間含めたら

結局働きに出ている時間自体は同じか、それ以下かもしれません

何せ出勤時間0ですから

 

 

 

給料・待遇面

これはざっくりいうと

出来高支払いか、日時拘束の2つです

日給時給の場合

これは職場によりけりですが時給は1000円〜の所がほとんどです

 

 

が、正直漫画アシスタントというものを技術職として見ると

めちゃくちゃ安いです。

 

 

東京だとコンビニバイトの方が時給が良い

なんてこともザラです

 

ただこれに関しては、別に作家さんがケチだから

とかそういう話ではないんですよ

 

(売れてる作家さんは除きます)

 

(売れてる作家さんは除きます)

 

 

(売れてる作家さんは除きます)

大事なことなので3回言いました

 

基本ほとんどの漫画家さんは、お金がない状態なので

原稿料からアシスタント代に使える予算って限られてるんです

 

原稿料もかかっている手間を考えたら引くほど安いですからね…

 

僕はプロアシとして仕事をしていて

本当に漫画家として仕事をしている作家さん方を尊敬してま

 

 

だからと言ってアシスタント代が安くて良い という事を言う気はありませんが

 

無い袖はふれないので。そこは現状上手くやっていくしかありませんし

やり方次第では十分win-winのやり方もあります

 

 

また待遇面では、基本余程大きなプロダクションとか作ってる漫画家さんで無い限り

アシスタントはフリーランス、個人事業主扱いです

 

ほとんどの仕事場では仕事をする上で契約書も交わしませんし、保険も個人で加入します

 

 

仕事の約束はほぼ全ての所が口約束で、割と丼勘定です

 

 

一般職に勤めている方からすると

そんないい加減でいいの?

と思う事でしょう。実際に現場で働く身でも時々思いますから

 

 

 

メリット・デメリット

 

漫画アシスタントのメリット、デメリットについて話しましょう

 

デメリット

 

まず週刊アシスタントや超売れっ子作家の会社の社員とかでも無い限り、

ほぼ掛け持ちが必須です。

 

 

掛け持ち先のスケジュール管理、仕事の連絡、当然掛け持ちが増えれば増える分増えます

そして掛け持ちしたとしても、毎月の収入が安定しません

 

背景が多い時はたくさん作業日があるけど

先月は10日入ったけど、今月は5日しかなかった。というのも珍しくありません

 

ページ数が少なかったり、お休みしたりすると普通に稼ぎが減ります

言うなれば日雇い労働者なので

 

当然有給なんてものも存在しませんし、ほとんどの仕事場ではボーナスもないです

入る日数、能力給によりますが大体週刊や月給制のところに入らない限りは

月10〜24万くらいです

 

 

また仕事がいつ入るか、というのも翌月の予定が確定で決まる事もレアです。

仕事日の前日に「明日からよろしく」と言われる事も珍しくありません

 

おまけに基本的に仕事の約束が口約束ですから

仕事の予定日だったけど、今日やっぱりなしで

みたいな事もよくあります。

 

当然キャンセル料も請求しないと払われませんし、請求するとやな顔される率も高いですw

 

キャンセル料を自発的に言って払ってくれる優しい作家さんもいますが、めっちゃレアです。ほぼいません

 

 

職場によっては締め切り日や前日から、あるいは仕事期間中に徹夜三昧、早朝からの仕事

残業もあったりします

 

 

割とどころか

労働条件や環境、待遇だけ見たらめちゃくちゃブラックです

 

 

特に通いアシ、日給仕事はですね、作家さんがよほどしっかりしていないと

すぐに超絶ブラック化します。

 

昔に比べて相当減ったとは思いますが

普通にこれTwitterで拡散したら炎上案件よね、って事も今でもたまに耳に入ってきたりします

 

またプロの技術と言っても教えるのが上手い人ばかりではありません

 

そして良い仕事場だったとしても、来年この仕事があるかどうかは分かりません

全ては売り上げOR読者アンケート…

 

 

 

メリット

 

まずは単純に仕事として色々な絵を描くので技術力や自分の中の引き出しが増えます

 

自分は少なくともアシスタントを始めるまでは背景描くのめちゃくちゃ苦手で

描くのも好きではありませんでした。

 

今ではキャラ絵を描くのよりも背景描く方が楽、と言う感じになりました

 

 

技術を学べてお金がもらえる、と言う所は初学者の方には特にメリットがあります

腕がついてくれば、月給30以上稼ぐ事も難しくありません

 

またプロの原稿を見れるというのも大きいです

特に一流の作家さんの生原稿、生データは感動しますよ。

これが「商品なんだ」と。

 

 

他人のハイクオリティな原稿や、他人の仕事の仕方、技術力から学べるものは大きいです

 

自分の知らなかったショートカットを知れたりします。

また教えるのが上手い人の入る職場、めちゃくちゃレベルの高い職場に入ると

確実にレベルアップします

 

 

基本が単発仕事、日雇い労働、日給制なので、合わないと思ったら辞めるのも自由。

ペナルティも特にないということです

 

そう言う意味では、アシスタント業はめちゃくちゃフリーです。

 

一般職で言い換えれば、自分で上司を選ぶ事が出来ると言う風にも言えるかもですね

 

そして自己責任で、得られる給料は減りますが

働く日数、日にちを自分で決められる。これもまたメリットとなる事です

 

スケジュールに都合が合えば入れば良いし、合わなかったらその日は無理っすねで良いんです

月給で雇われているわけでもないなら

 

そこを強制する権利は誰にもありません

 

(作家さんのお気持ち一つで一か月前に解雇通告的なものなしの 、一発解雇って事もあるんですけどね)

 

昔はわりと年齢が上がるとアシスタントできる働き口がなかったんですが

いまは在宅アシスタントってもののおかげで、年齢はあまり関係なくなってきたように感じます

 

個人的には年齢=技術力になっていれば

これからは在宅専門のアシは年齢不問になっていくんじゃないかなと思います

 

 

 

アシスタントが悪くない、と思う理由

 

 

僕がアシスタント仕事が悪くないと言う理由は主に3つ

 

1つ目 競合相手がほとんど存在しない

 

今ってWeb雑誌社含む、雑誌の数が増えて掲載ジャンルや場所さえ拘らなければ

漫画家になりやすい状況です

すごく漫画家が増えたんです

 

しかしそれに反比例してアシスタントのパーセンテージは減ってるんです

なぜかと言うと、昔は掲載枠がなかったからアシスタントでつなぐしかなかった作家候補の人が

今どんどこデビュー、連載しちゃってるからです

 

なので、昔からただでさえアシスタント不足と言われていたこの業界

さらに人手が足りない状態なんです

 

 

だからある程度描ければ十分アシスタントとしての需要がありますし

未経験、初学者でも、ワンチャン雇ってもらえる機会は全然あるのです

 

言葉は恐ろしく悪いですが

始めたての時には一定レベルに到達していない技量でも

絵を描いてお金をもらえる仕事と言うのは

もしかすると漫画アシスタントくらいかもしれません

 

そのくらい競合する相手がいないんです

 

 

2つ目 背景には正解がある

 

キャラ絵と違って、漫画の背景、アシスタント作業には正解があるんです

 

もちろん作家さんにとって100点満点の正解かどうかは、分かりませんが

やり方を覚えたら70点のラインは絶対に取れるようになります

 

それがわかればあとは自分の70点で、合格をもらえる職場を選んでいけば

お互いに満足いく仕事ができるはずです

 

自分はここも漫画アシスタントが特殊だと思う事で

絵の仕事で確実な正解があるって実はめちゃくちゃレアケースだったりします

 

 

そして3つ目

在宅デジタル出来高作業

 

 

これが昔では出来なかった、アシスタント仕事の新しいやり方です

現在弊社がメインで受けている仕事の種類です

 

今回アシスタント仕事は悪くないと言う話の中で

これが一番個人的には悪くないと思う要因の一つです

 

その理由は、自分の技量、頑張り次第で自分の価値がどんどん上がるという事です

 

 

昔ながらの通いアシスタイルだと一日に何件も掛け持ちしようにも

物理的に出来なかったり、稼げたとしても1日3万円とかだったと思います

(それ以上に稼げた人はゴッドハンドだったのでしょう)

 

 

しかし在宅出来高作業スタイルだった場合

受け持った仕事の種類、難易度、やり方によっては日給10万円だって稼げます

 

 

単純な話1p1万円の仕事を1時間で済ませれば時給1万円ですから

 

日給仕事、時給仕事だとどれだけ頑張っても、金額変わりませんからね

 

ウデがあればるほど、時間給の仕事って

メチャクチャ言葉は悪いですが

「サボり気味にダラダラやるのが、最も費用対効果が高い」んです

 

しょうがないんです、ウデがある人に全力出してほしかったら

お金を積みましょう、というシンプルな話ですので

 

プロは、お金に見合った技術を提供するのがプロです

 

 

この3つが僕がアシスタント仕事が悪くないと思う理由です

 

では最後に・アシスタントをやるならおすすめの働き方

これを紹介して終わろうと思います

 

 

・アシスタントをやるならおすすめの働き方

 

アシスタントをやるならおすすめの働き方は2つ

 

1つ目はアシスタントを副業として捉える事です

 

これは漫画関連の仕事に携わってる人もよし、全然関係ない仕事に携わっている方でも良しですが

 

絵を仕事にするなら、今の仕事辞めなきゃ

みたいな古い考え、なくて良いです。

 

アシスタントやっても何も保証されません

今は漫画家だって本業の合間にやってる人だって珍しくないんですから

 

漫画アシスタントもバリバリ副業感覚でいいと思います

むしろ

 

空き時間に、パッと働いて日給1万円くらい

絵の技術も身に付く

今なら在宅で出来る職場の方が多い

もちろん資格も必要ない

副業として選択肢の候補くらいには入りそうじゃないですか?

 

 

そしてもう一つのおすすめの働き方が

 

プロアシスタントで働くなら

チームで仕事をする事

これです。

 

通いアシスタントの頃には、人を派遣するくらいしか出来ませんでしたが

在宅出来高作業なら、納品日さえ調整すれば同じ期間に何件も受注することが出来ます

 

チームで一気にまとめてやるも良し、得意な人に割り振るも良し

とデータ作業だからこそ、複数人が同時に携わることが可能になりました

 

 

チームでアシスタント仕事をするメリットは

 

 

誰かの調子が悪くても誰かがリカバー出来ること

 

仕事を一気に少ない時間で終わらせられることで、高単価な仕事にすることが可能になること

 

たくさんの仕事を受注出来るので、より自分たちに向いている仕事を選ぶことが出来る事

 

他にも多数あります。もちろん同じくらい難しい事も大変な事も山ほどありますが

 

 

僕はデジタルで漫画を描くようになり、在宅アシスタントを続けていくうちに

これは新しい職業になるのではないか?と思い

ジョヴァンニ・ワークスを作りました

 

 

漫画アシスタントはいまだに「漫画家を目指すステップの1つ」と見なされていて

専門にしている人もめちゃくちゃ少ないです。

 

漫画のプロアシスタントになりたい、という人もほぼいません

 

だからこそ僕はここにものすごく大きな席が埋まっていると思っています

 

 

需要は確実にあるのに、率先して誰もやらない、確実に空いている枠があるのにも関わらず

 

 

この仕事を始めた時、アシスタントがアシタントを雇ってチームで仕事をする。

みんなで協力してアシスタントとして働いて生活を守っていくプランを人に話すと

 

そんなの出来るわけない、そういうことが出来たら夢みたいだね。みたいにかなり馬鹿にされました

 

誰もやってきてないんですから、仕方ないことですけどね

 

 

仕事として始めてみると「だから誰もやらないんだ」と何度も痛感しました

しかしそれ以上に「でも、これからの時代なら出来る」と確信してきました

 

 

漫画アシスタントは、仕事として考えた場合

現状の料金や仕事の環境を見れば、めちゃくちゃ良いというわけではありません

 

 

フリーランスとして今すぐめちゃくちゃ稼げるかというと

前述したとおりまだまだ年収何千万みたいにはできません。

 

この業界自体もまだまだ超アナログな世界観です

 

しかし、その分未開拓です。これだけ漫画の歴史があるにもかかわらず

全然整備されていません荒地です。

 

これからどんどん新しい働き方やシステムを作って

創意工夫をする余白が間違いなくあるという事です。

 

この仕事は決して悪くはないです

 

 

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